アジアアロワナ
アロワナは、大型の熱帯魚。その美しさと荘厳さに於いて群を抜いている魚と言えるでしょう。他の熱帯魚とは同等に扱うこともできないほど威厳と迫力のある魚であることは誰もが認めることでしょう。
アロワナにはその生産地によって大まかな分類がなされています。南米に生息する『シルバーアロワナ』『ブラックアロワナ』とオーストラリアに生息する『スポッテッッドバラムンディ』『ノーザンバラムンディ』とインドネシア、マレーシアに生息する『アジアアロワナ』の五種類が存在します。
形こそよく似ている世界のアロワナですが、その生産地によって性格や色合いはずいぶん異なります。たくさん取れる南米のものは元気なのですが、美しくないと言うことで人気は低く、アジアアロワナは逆に希少価値も加わって大人気です。
これらの世界の熱帯の人気の魚であるアロワナなのですが、美しさで人気のアジアアロワナなどの野生種は現在、日本では買うことも売ることもできないんですよ。
インドネシアやマレーシアのアジアアロワナは美しく、元々生息地域が狭く、個体数が少なく、観賞用の乱獲であっという間に絶滅の危機にさらされました。
この為、今ではアジアアロワナは一切の捕獲が禁止されています。密漁や密輸が相変わらず横行しているようですが、発見されれば罰金があったり、国によっては禁固刑になったりします。
ですが、実はアジアアロワナは日本の熱帯魚ショップで堂々と買うことができる魚なのです。
アジアアロワナの個体数の激減に目をつけた原産国の漁業関係者やディーラー、特に華僑の方達が1990年ごろからアジアアロワナを含む希少種の魚の養殖を始め、成功し、軌道に乗ったのです。大きな飼育エリアを必要とするので大変だったようですけどね。
絶滅の危機から救うだけでなく、養殖が成功して良かった事が他にもあります。それは純血種と呼ばれる美しい種類が選んで増やされていった為に、それまで手に入りにくかった全身金色の美しい個体が確実に手に入るようになったことです。
アジアアロワナは基本的な分類と言うことだけで言えば５種類が知られています。他の全ての種類はこれらの交雑や亜型です。５種類とは『紅龍（スーパーレッド）』『過背金龍（マレーシアゴールデン）』『紅尾金龍（インドネシアゴールデン）』『青龍（グリーンアロワナ）』『黄龍（バンジャール）』ですが、一番人気はマレーシアゴールデンです。
これらの養殖アジアアロワナの体内にはすべてマイクロチップが埋め込まれ、輸出管理されています。日本の国内における売買も届出制です。
ペットショップで正規に買うことができるといっても、このように生産が大変なアジアアロワナだけあって、人気の過背金龍などは３０万円をくだらない高級魚です。でも、値段は関係ないと思わせてくれる魅力をもつ魚であるのは冒頭に述べたとおりです。
